「子孫に美田を残さず。」は、本当か?
既に間違って伝わっている件
タイトルにもありますように、
「子孫に美田を残さず」ではなく、西郷隆盛が書いた漢詩は、
「児孫(じそん)のために美田を買わず」
です。”残す”と”買う”では大違いです。
この時点で、いかに間違って伝わっているかがわかるのではないでしょうか。
※漢詩は一部抜粋しています。
これが元なのかどうかは不明ですが、
一部の税理士・公認会計士やファイナンシャルプランナーが書いた相続に関する書籍は、
「遺産が残ると”争族”のもとだから、売れるものは売っておしまいなさい。」
という無責任かつ丸投げ的な内容が多々見受けられます。
そこが悩みの種だから困っているのに、
少なくともこのようなことを書く税理士やファイナンシャルプランナーには相談しない方がいいでしょう。
残す場合はどうするか?
ここで平成27年7月のダイレクトメールに同封されていた、
日本経営合理化協会の牟田学理事長(当時)のエッセイを一部要約します。
・事業家が美田を持っているなら残した方がいい。
・事業に万が一の場合に備える観点からも、担保としてあった方がいい。
・承継者になるべく教育(帝王学のこと)を施してあげた方がいい。
・そのうえで子供が不正をするような性格であれば残さない方がいい。
・日ごろから税理士や公認会計士に気軽に相談できるよう、関係を作っておいた方がいい。
というものです。
これは事業家でなくても、一般家庭の相続にも当てはまると言えます。
ふと思ったこと
上記から一般家庭でも相続で、もめないように今一度西郷隆盛の漢詩を確認するとともに、
土地やお金の話など聞きにくいことでも、生前当事者同士確認しておいた方がいいと思います。
まったく考えずに被相続人が遺産を残さなかったり(法定相続)、残さないと遺言していたら、
その後の児孫の対応はまさしくあなたの骨すらも残さないことになるでしょうね。
こういう風に思ったのには理由があるのですが、それはまたの機会に。